• 2021.03.12

アルミのプレス加工   -1枚のアルミが大量の商品を産み出すには-

プレス加工  重要ポイントは4つ

INAMOTOのアルミ材を使ったプレス加工は、金型を使って、薄い板(0.3~2.5㎜程度)や押し出し材を、切ったり、穴を開けたり、曲げたり、潰したり、絞ったりして形を作る加工です。プレス加工では、金型・材料・プレス機械・油の4つが重要なポイントになります。

その一 金型と折り紙の鶴

金型は凹凸のある上下一対の構造です。金型の間にアルミの材料を入れてプレス加工をする事で、材料を変形させ形をつくっていきます。少し話が逸れますが、折り紙で鶴をつくる作業をイメージして頂けるとわかりやすいかもしれません。完成品の鶴はとても複雑な形状をしていますが、最初は1枚の紙です。アルミのプレス加工も同様に1枚のアルミの板から工程をかけて1工程ずつ形状を作り上げていきます。

金型の数量は形状が複雑なものになると20型近くなる場合もあります。

プレス加工技術の7~8割は金型で決まるといわれるほど、プレス加工において金型は製品の精度を左右します。

その二 適切な材料選定

アルミ材料と一言でいっても純度の高く柔らかい材料や、アルミにマグネシウムやシリコンを含有させて硬く仕上げてある材料など多くの種類があります。形状や製品の大きさにあわせて適正な材料を選定していくのも大切な作業の一つです。

その三 プレス機械の使い分け

プレス機械は形状や大きさによって15t~110tの機械を使い分けます。

小さな曲げ加工や力の必要な無い工程では小さなプレス機を使い、絞り加工のように大きな力が必要な場合85tや110tの大きなプレス機を使います。

その四 油の選定と混合

プレス加工において、油の選定はとても重要です。粘土の高い油もあればサラサラした粘り気の少ないものもあります。

過去にAという油のみで絞り加工を行ったところ材料が切れてしまいましたが、同じ条件(プレス機械と金型と材料)で油だけをA+Bの混合したものに変更したところ、きれいに絞れたという事がありました。

外観は美しさが命

また弊社では外観製品を多く取り扱っているためプレス加工後にキズ、シワがでないよう丁寧に仕上げることがとても大切なポイントです。

キズ、シワを残さずに表面処理(梨地、ヘアライン、アルマイト)を施す事で、美しい外観製品をつくる事ができます。

メリットとデメリット

プレス加工のメリットは、金型に合わせて短時間で多くの材料を加工できる事が特徴です。製品の形状ごとに金型が必要ですが、金型に合わせて均一で精度の高い製品を大量に生産する事が可能です。

デメリットは製品の形状ごとに金型をつくる必要があり、金型の製作には費用と時間がかかります。そのため、生産数が少ない製品の場合、1個あたりの金型の償却費用が高くなります。

1枚のアルミから金型、そして商品へ

プレス加工は初期費用や金型製作、トライ期間が必要ですが、一度金型が完成すれば安定した品質で大量生産が出来ます。

家電から自動車部品まで多くの業種で弊社のプレス製品が社会で役立っています。

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